バイクカバーは意外と重要
バイクカバーは「ただかぶせるだけ」と思われがちだが、実はちょっとしたコツで使い勝手も車体の守られ方も大きく変わる。風でバタついて傷がついたり、雨のあとにムワッと湿気がこもったりするのは、カバーの性能だけでなく掛け方の影響も大きい。せっかく用意したなら、手間を少しだけかけて上手に付き合っていこう。
バイクカバーの基本
まず大前提として、エンジンやマフラーが熱いままカバーを掛けるのは避けたい。溶ける危険があるし、熱で湿気が逃げにくくなることもある。走行直後なら10〜20分ほど置いて、触っても熱くない状態になってから作業しよう。急いでいるときほどここを雑にしがちだが、カバーを長持ちさせる意味でも大切だ。
次に、車体の汚れをざっと落としておくと失敗が減る。泥や砂が付いたままカバーを掛けると、風で擦れて塗装に細かい傷が入ることがある。ピカピカに磨く必要はないが、フェンダーまわりやタンク横など、砂が溜まりやすい部分を軽く払っておくだけでも違う。雨上がりなら、濡れたまま掛けるより一度水滴を拭き取った方が気持ちよく使えるはずだ。
掛け方の基本は「前から後ろ」だ。多くのカバーには前後の目印がある。前側だけミラー用の立体縫製があったり、フロントロック用の穴が付いていたりするので、まずそこで向きを確認しよう。風の強い日は、いきなり全部を広げると帆みたいになって持っていかれる。そんなときはカバーを半分だけ広げてフロント側を先に掛け、片手で押さえながら後方へ少しずつ送っていくと扱いやすい。
注意したいこと
ミラーまわりは引っかかりポイントなので、無理に引っ張らないことがコツだ。片側を先に被せ、反対側はカバーの縫い目を使って「すべらせる」ように通すと破れにくい。慣れてくると、ミラーの形に沿わせるようにサッと収まる。最初はもたついて当然なので焦らなくていい。
裾まで掛けたら、次は固定だ。中央にベルトが付いているタイプなら必ず留めておこう。留めないと風でめくれ上がり、結果として雨が入りやすくなる。ロック穴があるなら、前輪やフレームにワイヤーロックを通しておくと防犯面でも安心だ。ただし、締めすぎてカバーが突っ張ると縫い目に負担がかかる。風で少し動く余裕があるくらいがちょうどいい。
また、地味に効くのが「通気」だ。雨が止んだあとにそのまま密閉すると、湿気がこもってサビやすくなる。可能なら下側を少しだけ開けて空気の通り道を作る、もしくは晴れたタイミングで一度外して乾かすようにしよう。カバーの内側がしっとりしていると感じたら、乾かす合図だと思っていい。
外すときも乱暴に引っ張らず、後ろから前へたたむと次が楽になる。いきなり地面に落とすと裏面に砂が付いて、次に掛けたとき傷の原因になる。カバーは「掛ける作業」より「外したあとの扱い」で差がつくことが多い。畳んで収納袋に入れるだけでも、次回のストレスが減るはずだ。
バイクカバーで意識すること
バイクカバーは毎日のひと手間が面倒に感じるかもしれない。だが、コツを押さえると作業はすぐに短くなるし、車体もきれいに保ちやすい。まずは熱が冷めるのを待つ、前から掛けて固定する、湿気を逃がす。この3つだけ意識して、カバーを味方にしていこう。